その1 本当のエコハウスとは

籾殻断熱の家を建てたいという人の依頼で、
設計に取りかかりました。
環境共生・エコも重要なテーマです。

ちなみに、かなり大きな住宅です。

スクリーンショット 2020-08-11 19

設計を始めてから、
気候グラフなどを見ることが多くなりました。
中央に大きな吹き抜けと、
南面に面した大な窓をつけることが
建て主の「ゆづれない」要望だからです。

さて、熱はどれだけ逃げるのか、
そして、日射熱はどれだけ入るのか。

計画している住宅の
熱損失量や日射熱の取得量を、
今時ばかばかしい手計算で算出します。
手計算だと、PCの計算では気にも
止めていなかったことに目が行きます。

つまり、思わぬ発見。

PCは条件に沿って数値を入れると
瞬時に結果を示します。
手計算では、一つ一つの計算過程を
確認しながら進みます。

要するに私の場合は自信がないので、
桁数や単位を確認しながら進む
ということですが、
単位の変換などに出くわすと、
本当に間違いがないか何度も確認します。

ワット、ケルビン、ジュール、
カロリー、キロ、メガ、ギガ・・・

一つ一つ確認しながら、
そして他のことにも結び付けながら。
日常生活の身近なことに置き換えて
数値化するとより実感できるからです。

例えば、
1キロワットの熱量って、どれくらい?

1キロワットは
860キロカロリーに変換できます。

そして1キロカロリーは、
1リットルの水の温度を
1度上げる熱量ですから、

860キロカロリーは、
860リットルの水の温度を
1度上げる熱量です。

ここまで計算しても、
まだ実感が湧きません。

浴槽の湯に置き換えて計算します。

一般的な浴槽は
240リットルくらい入ります。
逆算すると、1キロワットの熱量は、
一般的な浴槽240リットルの湯を
3.6度温める熱量です。

ここまで計算すると実感できます。

建物の向き、窓の大きさ、断熱性能などで、
建物から逃げていく熱量と
日射から取得する熱量が随分違います。

この建物の設計を通して、しばらくの間、
本当のエコハウス・環境共生住宅とは何か、
皆さんと一緒に考えてみるのも
決して無駄ではないと思います。

なぜなら、
私自身がエコハウスについて勉強し、
熱損失量や日射熱取得量などの一つ一つを
数値化することで、

これまで感覚的につかんでいたことの
間違いに気付き、発見があるので、
家を考えている建て主のためにも、
家をつくる側の専門家の人たちのためにも
必要なデータだと思うからです。

では、また次回に。

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