その17 水蒸気の気持ちになって

最新のCG画像を添付。
ウッドデッキの柱脚を描いてないので、
なんだか宙に浮いてる感じです。

外観_22

さて、計画建物の内部結露を検討します。
寒さが最も厳しい1月に、
内部結露のリスクが一番高くなります。

次のように条件を設定しました。

外気
気温:-5.6℃ 湿度:60%
飽和水蒸気量:3.26g/m3
実在水蒸気量:1.96g/m3
飽和水蒸気圧:403Pa
実在水蒸気圧:242Pa

室内
気温:20℃ 湿度:60%
飽和水蒸気量:17.31g/m3
実在水蒸気量:10.39g/m3
飽和水蒸気圧:2339Pa
実在水蒸気圧:1403Pa

外気も室内も相対湿度は同じ60%ですが、
実在水蒸気量は大きく違います。

水蒸気は、実在水蒸気量の大きい空気から
小さい空気へと移動します。
その時の移動しようとする力の強さを
水蒸気圧と言います。

設定した条件では、室内から屋外へ
1161Paの水蒸気圧が生じています。
聞き慣れている気象の単位に置き換えると、
11.61hPa(ヘクトパスカル)です。

パスカルは圧力の単位で、1Pa=1N/m2
1m2あたり1ニュートンの力がかかります。

1気圧=1013hPa=101,300Paの時は、
重力加速度ニュートンを9.807m/s2とすると、
地上の圧力は1.033kg/cm2

平方メートルではなく、
平方センチメートルあたりの圧力となります。

普段は空気の重さなど気にせずに
生活していますが、こうして数値化してみると、
改めて空気の重さを実感します。

だから、猛烈な台風の時に、
あんなに大暴れするのだなぁ、と。

本題に入ります。

最も寒さの厳しい1月のよく晴れた日の夜明け前、
計画した建物の中では、室内から屋外へと、
11.61hPaの水蒸気圧が働いています。

建築的に何も対策を施さない場合は、
次のような状態です。

ここから水蒸気の気持ちになって、
物語を展開します。

水蒸気くんは、
いつもソーシャルディスタンスを考えています。
「仲間とはできるだけ距離をおきたいなぁ」と。

今、部屋の中には平均して
1m3に10.39人の仲間がいます。

「少し密だなぁ、
もっと疎なところに移動しなければ・・・」。

部屋の中と屋外を微かに移動する空気を、
水蒸気くんは敏感にキャッチします。

壁の外には、平均して1m3に1.96人の
仲間がいる空間が広がっています。

「壁の向こうへ行きたい」
11.61hPaの力で思います。

11.61hPaの思いの強さとは?
山登りの愛好家がよく知っています。

標高0mから標高100mの高さまで昇ると、
気温が1度下がり、気圧が11hPa下がります。

つまり、部屋の中の水蒸気くんは、
標高100mの気圧差で、
外に移動したいと念じています。

明日に続きます。