その15 C値

C値について考察しました。
以下の関係を表した図を添付します。

「外部の風速」「建物内外の温度差」
「C値」「換気回数」

C値と漏気

学生時代の授業で見た記憶があります。
当時はカッコイイ建物どう設計するかに意識が
向いて、このような地味な勉強には
興味が湧きませんでした。

今は、地味な勉強の大切さがよく分かります。

右側の図は、「外部の風速」と
「内外の温度差」の関係を表したものです。

左側の図は、「C値」と「換気回数」をの
関係を表したものです。

まずは条件設定をします。

「外部の風速」那須高原のデータ
1月の平均風速=3.2m/s
年間の平均風速=2.6m/s

「周辺の地域」Ⅱを想定
Ⅰ地域:は周りに建物がない吹き曝しの状態
Ⅱ地域:は一般的な住宅地
Ⅲ地域:は市街地密集地・樹木に囲まれた森

建築予定地は樹木に囲まれた森の中なので、
風を遮るⅢ地域と思われますが、
一つ条件の厳しいⅡ地域とします。

「建物内外の温度差」那須塩原
1月の平均気温=0.9℃ 年間の平均気温=6.3℃
室温=20℃ 内外の温度差=21℃

最初に右の図から。

△Tは「建物内外の温度差」です。
20℃から右に向かってⅠ地域、Ⅱ地域、Ⅲ地域に
対応した3本の線が出ています。

風速3.2m/sのところに赤い線を入れました。
赤い線と、室温20℃の線の少し上(21℃)の
交点に青い線を入れました。

左の図に移動します。

恐ろしいことにこの図では、
C値=0から20まで算定できます。

イワユル昔の住宅は、
C値=12くらいと言われています。

C値=12のところを上に追っていくと、
1.2くらいのところで青の線と交差します。

つまり、自然換気で家の中の空気が
1時間に1.2回入れ替わるということです。

では、C値=1.0の場合はどうでしょうか。
緑の線と交差するところは、ほぼ0.1の辺りです。

つまり、家の中の空気が
自然に1時間に0.1回入れ替わります。

C値=0.5の場合(左側の緑)はどうでしょうか。
1時間に0.05回くらいでしょうか。

さて、この自然換気の回数をどう見るか。

建築基準法では、
1時間に0.5回の換気回数が義務付けられています。

C値=1.0の場合は自然に0.1回、
必要な換気回数の2割に相当します。

C値=0.5の場合は自然に0.05回、
必要な換気回数の1割に相当します。

換気扇を考慮した方がいいですね。

レンジフード「強運転」の換気量は、
400〜600m3/hくらいです。

計画案では、キッチンのレンジフードが
1階と2階のそれぞれ2台ずつ付ける予定です。

4台同時に運転した場合は、
1600〜2000m3/h
 
計画建物の体積は、サンルームを除いて
ざっと450m2×3.5m=3150m3

レンジフードの換気量が
1600m3なら0.5回、2000m3なら0.6回です。

薪ストーブに必要な排気量は、25〜40m3/h
くらいなので、あまり影響なさそうです。

C値と自然換気回数の関係を表す線は、
C値1.0を切ったあたりから垂直に近づきます。
C値0.5だとほぼ垂直です。

これが何を意味するかというと、
C値1.0を切ったあたりから、外の風の影響を
ほとんど受けなくなります。

逆に、C値が10を超えるような昔の建物は、
風の影響を受けやすいということが言えます。

ちなみに、C値は、設計である程度
低く抑える仕様にすることはできますが、
計算でC値を算出することはできません。

C値は、
建築中や完成後の建物を計測して算出します。

それでは、また。