柿渋のゆらぎ

柿渋の経年変化

建物の塗装に使う自然塗料にもいろいろありますが、古来から使われてきた自然塗料の代表は柿渋だと思います。

渋柿の汁から何工程も手間暇をかけてつくります。私もつくったことがありますが、渋柿を洗浄して→砕いて→汁を搾って→ろ過して→発酵させて…、結構大変です。
本格的なものは殺菌、柿酵母を添加したり、熟成もするようです。

柿渋は単に木材等の着色だけでなく、防水性を利用して和傘や団扇(うちわ)に、防腐性を利用して魚網に、布の染料に、さらにやけど薬、かぶれ薬、止血剤としても使われてきました。また近年、シックハウス問題で有名になった合板などに含まれるホルムアルデヒドを吸着し、無害化するそうです。

柿渋は木材に塗ると少しづつ変化して、赤褐色に染まっていきます。外部に塗る場合は色落ちに注意です(色が落ちた時のグラデーションが私は好きです)が、古色を出したい場合は松煙や弁柄を混ぜて使います。
塗った後、乾燥するまでの間、猫のオシッ〇みたいな匂いが苦手という人のために、最近は無臭化した柿渋製品もあります。

柿渋試し塗り

左官屋さんが塗る漆喰の白は、どこか奥深くて柔らかい感じがしますが、この柿渋で塗った木材の経年変化も不揃いの美しさ、若しくは1/fゆらぎとでもいうのか人の五感に働きかけ、自律神経を整えてくれるようです。

京都の柿渋メーカー(株)トミヤマさん、またお世話になります。 m(..)m
https://www.kakishibu.com/

    コメント


    認証コード7199

    コメントは管理者の承認後に表示されます。