建築巡礼/東山旧岸邸

正月休みを利用して、御殿場にある東山旧岸邸を探訪してきました。
岸邸は第56、57代内閣総理大臣を務めた岸信介が晩年の17年を過ごした自邸です。
設計は近代数寄屋建築の創始者といわれる吉田五十八(いそや)という大先生。

岸邸公式サイト
https://www.kyu-kishitei.jp/

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芸事に夢中になっている人を「数寄者(すきもの)」と言いますが、数寄屋や茶室は裕福な人たちの建築で、同じ伝統建築でも貧しい庶民の古民家とは対照的です。
そして近代とは、日本史では明治維新から太平洋戦争終結までのこと。この時代は日本人が西洋に追いつこうとした時代、人々の関心が伝統から離れていった時代。

今回の岸邸は元総理大臣の自邸で、近代で数寄屋とくれば、怖いもの見たさで見たいけど、敵地に乗り込むような気分になって、面倒なことになりそうで、数寄屋は好きだけど見るならもう少し勉強して、きっちり時間を取って見てみようと思っていました。
(結局、勉強不足のままでノコノコ行きましたが)

300円払って恐る恐る中に入ってみると、元総理の自邸にしては簡素な感じで好印象ですが、伝統的な数寄屋建築に組み込まれた工業製品(塩化ビニール)に違和感を覚えてしまう私。
常に新しいものを求めたのが近代建築なら、きっと50年前はこれが到達点だったのだと自分に言い聞かせてはみるものの、なんか釈然としない…。これが評価されるのはどうしてなのか?

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帰宅してから、いろいろと考えてみましたが、この空振り感はきっと日本の伝統がどのように近代建築に組み込まれて行ったのか、そもそも近代建築ってなんなのか?そのあたりの背景が分かっていないのが原因と思われ、無学を恥じるしかない一日となりました。^^;

吉田先生!なんでよ?って聞きたいところですが、暇を見つけて建築巡礼を続けながら
自分で勉強します。
(厄介なことになったなぁ)

建築探訪アプリ見つけました!
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