エアコン1台で家中が快適/山中省吾

ジェフさんは、知り合いの農家から籾殻を分けてもらいました。米を主食とする日本ですから、籾殻は無料で手に入りますが、運搬まではしてくれません。そこで、ジェフさんは、大工さんから借りた1tトラックで運搬しました。農家と建築現場を14往復もしたそうです。

籾殻の施工も苦労の連続でした。厚さ30cmの外周部の壁に籾殻を詰め込みます。まずセルローズファイバー(紙を綿状に加工した断熱材)を吹き込む機械で試してみましたが、あえなく失敗しました。籾殻は意外と重く、少しずつしか入らないのです。結局、壁の上部からホッパーで落とし込むことにしました。

予想はしていましたが、籾殻自体の重みで沈下し、上の方に隙間が生じます。そこで、発泡系の吹き付け断熱材で隙間を埋めました。

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さて、住み始めてからの断熱効果はどうだったでしょうか。ジェフさんの家が完成して半年後、そして2年半後、設計者の黒土(飯塚オフィス代表)が訪問して住み心地をヒアリングしたところ、「1台のエアコン(16畳対応)で家中が快適です」と奥様の感想をいただきました。

明日は「コンクリートの床を大理石のように磨き上げた」ジェフさんのDIYを紹介します。

では、また。

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