伝統構法と在来構法/大津宏伸

古民家再生には、大きく分けて「現地再生」と「移築再生」があります。
「現地再生」は、解体せずにその場所で修理、再生します。
「移築再生」は、一度解体して、別の場所に新しい建物として再生します。
その他、同じ敷地内で解体せずに建物を移動させる「曳家(ひきや)」
という方法もあります。

古民家と呼ばれる建物は木造住宅ですが、現代の木造住宅と何が
どう違うのでしょうか。

これまた一義ではないので、正確に説明するのが難しいですが、
古民家は伝統構法という日本古来からの構法でつくられていているのに対し、
現代の木造住宅の多くは、在来構法という現代の構法でつくられています。

画像の説明

【木造の構法図:世界で一番やさしい木構造より】

伝統構法は基本的には釘や金物をあまり使用しない、大工さんの木組みと
左官屋さんの土壁で構成され、地震や風等の外力に対してある程度、変形を
許容できる柔構造といえます。
これに対して、同じ木造でも在来構法の場合は、外力に対して金物や筋交いなどで
固める剛構造です。

明治維新以降、置き去りにされてきた「伝統構法」ですが、近年、
文化的な価値や優れた性能が見直され、ユネスコ文化遺産に登録
しようという動きもあります。
http://dentoh-isan.jp/

見直されてきたとは言っても、伝統構法で再生しようと思うと、
現在の法律の元では、まだまだ難しい問題がありますが、
まぁ、難しい話は今日はやめておきましょう。

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