日本では住みたい家を建てられないのか/山中省吾

ロンドンブーツの田村淳さんが『いつかは福岡生活』というテレビ番組で訪問し、「えー、そんな家のつくり方があるのー!」と驚いた住宅を紹介します。

その住宅を建てた人は、ジェフさんと言います。カナダのご出身で、日本の大学で海外の文化について教えておられます。そのジェフさんが、家づくりを思い立つのですが…。

「日本では、住みたい家を建てられないのか!」ジェフさんは怒っていました。家づくりを思い立ってから幾つか住宅会社を訪ねたのですが、返ってくる答えはどこも同じでした。

「日本では無理、費用がかかりすぎる」

家を建てるにあたり、ジェフさんにはどうしても実現したいことがありました。それは、籾殻(もみがら)を断熱材として利用することです。北米には籾殻を断熱材として利用している住宅がいくつもあることを知っていたのです。

米を主食にしている日本なら、籾殻はいくらでも手に入ると考えたのですが、意外なことにジェフさんが訪ねた住宅会社で、籾殻断熱を知っているところはひとつもありませんでした。

(籾殻は優れた断熱材なのに、どうして利用しないのだろうか?)

籾殻1

日本の住宅は多種多様です。木の家、鉄の家、コンクリートの家。さらに性能面でも高気密、高断熱、耐震性能、バリアフリーなど様々な住宅で溢れています。こんなに多種多様な住宅で溢れている国は、世界中で日本くらいしかないかもしれません。

北米はもっとシンプルでした。そもそも日本のようなハウスメーカーというものが存在しません。住宅はその地域の建築職人(大工や塗装など)がつくる地場産業です。

このように、一見どんな家でも手に入りそうな日本ですが、ジェフさんがいざ家づくりを思い立つと、意外にも不自由を感じることばかりでした。何でも揃っている日本の住宅産業ですが、ただひとつ、自由性だけが不足していたのです。

続きはまた。

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