自由設計・注文住宅なのに不自由

質問：住宅会社は自由設計・注文住宅を売りにしていますが、あまり自由ではないように思います。

回答：日本の家づくりは、意外と不自由なようです。

日本の家づくりは何て不自由なのだ！　福岡の大学で教鞭に立つカナダ出身のジェフさん。家づくりを思い立つと、次々と壁にぶつかりました。カナダでは自由にやれたことが、日本では無理だと言われるのです。

　
例えば籾殻（もみがら）を断熱材として利用したいということも。ジェフさんはこう考えました。籾殻は優れた断熱材。しかも日本は稲作の国。タダで手に入るではないか。
　
ところが、訪問した住宅会社の全てが、籾殻断熱はできないと断ったのです。ジェフさんが暮らした北米では籾殻が断熱材として利用されていたにも関わらず、訪問した住宅会社に籾殻断熱の知識はありませんでした。
　
ジェフさんは、家を建てるならできる限りＤＩＹで行いたいと思っていました。籾殻断熱も知り合いの農家から籾殻を譲り受けて、自分で施工するつもりでした。床や壁の仕上げ、子供たちの勉強机もＤＩＹのつもりでした。父親のそういう姿を子供たちに見せ、一緒に作業するのが大切で、それがカナダ流の家づくりでした。
　
日本の家づくりは多種多様です。木の家、鉄の家、コンクリートの家。耐震や断熱などの性能面でも多種多様です。これほど多種多様な住宅であふれている国は日本くらいしかありません。どんな家でも手に入りそうな日本ですが、いざ家づくりを思い立つと意外にも不自由を感じることが多いようです。ジェフさんもそうでした。
　
壁にぶつかったジェフさんでしたが、巡り巡ってオープンシステムと出会い、最後は思い通りの家づくりを実現し、ＤＩＹを存分に楽しむことができました。後日談ですが、ジェフさんの家づくりは2018年1月、九州朝日放送『ロンプク︎淳のいつかは福岡生活』で放映されました。
　
カナダ育ちのジェフさんは、日本の家づくりを不自由に感じたようです。

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住宅会社に全て任せるのではなく、建築主の思いを的確に反映させるにはどのような方法が最適か。このような考えで進める建築を「オープンシステム」と言います。マンガに登場する山田さん、小出さん、熊野さんは架空の人物ですが、二つの実話を合体した内容となっています。A５版36ページ、さらっと読めます。