店舗の改修工事で

大きなコストダウン


分離発注の改修工事を体験して、建材の価格についていくつか疑問が湧きました。その一つが石工事です。石は何故こんなに高いのだろう? 自分で工事現場を指揮してみると、納得がいかないところがでてきました。そこでこの際、徹底的に調べてみようという気持ちが湧き起こりました。

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少しでも良い材料を使って工事費が安くなれば、あのオーナーはきっと喜ぶだろう。少々無理なことでもやってみたいという気になりました。それは職人もおなじです。物づくりに携わる者に共通する習性かもしません。設計監理者というより、設計職人です。

石工事に関しては、時間を見つけて建材店や石材店を回り、とうとう島根県の宍道町までたどり着きました。ここでは来待石という墓石や灯篭の材料となる石を産出しています。古い民家では、基礎や屋根の棟押さえにこの石が使われていました。
 
石材店の社長と共に、来待石を建築の仕上げ材料として使うのは可能か、どのように加工すればベストかを検討しましたが、なかなか話がかみ合いません。どうやら石材店の社長は、定規で正確に測ったような製品、つまり加工精度にずいぶんこだわっているようです。

私のほうはもっと荒っぽい考えで、大きな石や小さな石、長い石や短い石、四角形や三角形の石がいろいろ混じっていてもかまいません。むしろそのほうが面白いのです。ただし、厚みは30㎜くらいにそろえて、片面は自然石を割ったような仕上げにしてほしいという要望でした。
 
長時間の話し合いで、やっとお互いの納得が得られました。定規で測ったような精密な加工精度は求めていません。全部同じ形状に加工する必要もありません。無駄にならないように材料の選定や加工方法も工夫します。こういった条件で石材の費用は一気に下がりました。

当初、室内の壁に貼る自然石割肌仕上げの材料費は、120万円もしました。それが、工夫の甲斐あって30万円までコストダウンができました。ただし、工事現場までの運搬は私が行なうという条件が付きました。
 
ところで、コストダウンになった金額はいったい何処へいくのでしょうか。この業界では通常の場合、元請会社である工務店やハウスメーカーの利益になります。ところが、分離発注の場合だと、すべて建築主に還元されます。

何故なら、私たち設計事務所は工事を請負っているのではなく、建築主の委任を受けて行う業務に対して、報酬をもらって仕事をしているからです。したがって、安くなった建築資材や工事代金の差額は、建築主の手元に還るのが当然と考えています。

努力をすればするほど、建築主に多くのものがもたらされる。私たち建築士はそういうポジションで仕事をしています。




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