家づくりでよくある質問


元気を取り戻した中小の工務店

質問:大手ハウスメーカーは建材や設備機器などの仕入れを安くできるので、中小の工務店よりやはり「お得」なのでしょうか?

回答:そうとは限りません。中小の工務店も随分安く仕入れることができるようになりました。むしろ、経費(粗利益)を大手ハウスメーカーほど必要としない中小の工務店の方が「お得」かもしれません。

さて、昔は物が大事でした。今は時間が大事です。年配の人は使いもしない物でも捨てずにおきますが、若い人は物に執着しないように感じます。物と時間の価値観が逆転したのかもしれません。その傾向は家づくりにも表れています。

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昔の住宅は、できるだけ少ない材料で造れるように考えてありました。和小屋組みがその例です。材料が貴重で、施工の手間(人件費=時間)はそれほど高くなかったからです。今の住宅は、材料も重視しますが、それ以上に人件費を重視して造ります。手間がかかる施工は工事代金に大きく影響するからです。
 
では、今の住宅は工事費に占める「材料費」「人件費」「諸経費」の割合はどれくらいだと思いますか? ちなみに諸経費は住宅会社の粗利益に相当します。

すごくざっくり答えます。今の住宅は「材料費」「人件費」「諸経費」がほぼ同じ比率、それぞれ33%です。材料費の割合が意外に少ないと思いませんか?

何が言いたいかというと、現在の成熟した住宅産業では、大手も中小も対等に戦えるようになったということです。材料費が工事費の33%しか占めていないのですから、大手が持つ仕入れの優位性がそれほど発揮されません。

実際、住宅業界は大手も中小も材料の仕入れ価格にそれほど大きな差はなくなりました。住宅コンサルタントやフランチャイズの本部が、中小の工務店に材料の適正な仕入れ価格を指導してきたからです。仮に、大手の仕入れ価格が中小より10%安いとしたら、工事費に占める材料費の割合が33%で、それに対する10%の効果ですから、及ぼす影響は3.3%に過ぎません。

まして人件費(職人の手間賃)となると、大手だからといって安く仕入れることなどできません。塗装職人が1㎡塗る手間は、大手だろうと中小だろうと何ら変わらないからです。むしろ、人件費に関しては、大手の方が高いというのが普通の感覚です。

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住宅は「地場産業」です。大手がすごいと思うのは幻想です。大手も中小も、地場の職人に頼らなければ建築工事はできません。すべてその地域の職人が施工しているのです。下請け業者として。

今の大手は、高度経済成長期に大躍進しました。組織力と情報力で中小の工務店に大きな差をつけました。国も新しい住宅産業の形として助成金などで後押ししました。やがて、あまりにも大きくなり過ぎて、中小の工務店が太刀打ちできなくなりました。

「このままでは日本の地場産業が廃れる」こう考えた経済産業省は2002年、省内に「住宅関連ニュービジネス支援対策委員会」というものを立ち上げて、中小の支援を開始しました。大手に太刀打ちできなくなった工務店をどのように活性化させるか。

そこで、住宅業界を活性化させつつある、あるいは将来活性化させるかもしれないと目されていた住宅関連ニュービジネスのプレーヤーを中心に、大学の教授が加わって委員を構成しました。

筆者も委員の一人として、2002年から2004年の3年間、毎月経産省で開かれるに委員会に参加しました。住宅関連ニュービジネスのトッププレーヤーたち、大学の先生、経産省の人たちとの交流やディスカッションは貴重な体験となりました。

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世紀が変わった2001年前後、中小の工務店には未来が見えませんでした。大手に圧倒的な差をつけられ、地場産業が廃れるかもしれないと思われていました。

しかし、住宅産業が成熟期に入った今は違います。中小の工務店が元気になりました。大手と対等に戦える条件が整ったのです。効率化による生産性の向上、そして仕入れ価格の差の縮小です。むしろ、粗利益率を大手ほど必要としない中小の方が有利に展開できる状況が生まれたと言えなくはありません。

住宅の工事費を決める最も大きな要因が見えてきました。それは、住宅業者の粗利益率です。仕入れ価格の差が縮小した今の住宅産業では、粗利益率が高いほど住宅の価格が高くなります。ただし、全く同じ設計の建物であれば、という前提で。

実際は価格を比べて粗利益率がわかるほど単純ではありません。なぜなら、建物の機能・性能・材料・デザインがそれぞれ違うからです。仕様が違えば価格の比較が難しくなります。



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「家づくりをトコトン楽しむ」

お金だけ用意して、ただ完成を楽しみに待つことしかできなかった建築主が、家づくりのあらゆる過程を楽しむために何をすればいいか、具体的に著しました。そして、建築主が知っていたらより一層家づくりを楽しむことができると思うところは、業界のありのままの姿を(いくらか突っ込んで)描いています。A4版64ページの大作(笑)です。


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壁塗りに挑戦した家族、木部の塗装をやり遂げたご主人など、それぞれに楽しみ方は違いますが、家づくりに積極的に参加して、こだわりを実現していく姿は皆さんに共通しています。第1章と第2章で、家づくりの過程と楽しみ方をできる限り詳しく再現しています。A4版36ページ、それなりに大作(笑)です。


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住宅会社に全て任せるのではなく、建築主の思いを的確に反映させるにはどのような方法が最適か。このような考えで進める建築を「オープンシステム」と言います。マンガに登場する山田さん、小出さん、熊野さんは架空の人物ですが、二つの実話を合体した内容となっています。A5版36ページ、さらっと読めます。


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