いとよーきた

限られた予算の中でどれだけのことが実現できるか。糸田町が設計事務所にアイデアを公募しました。採用されたのはプラスエム設計の建築手法オープンシステム。公共施設では全国初の出来事です。


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オープンシステムの実績はすべて民間の建築物でした。公共の建築物は一つもありません。というのも、設計業務だけではなく、分離発注方式を前提とした施工業者の選定や工事監理業務まで含む建築手法は、行政の「設計入札」に馴染まないと思われていたからです。
 
ところが2017年の春、福岡県田川郡糸田町が公募型プロポーザルを実施しました。「限られた予算の中でどれだけのことが実現できるか」。単なる設計監理にとどまらず、建築の進め方まで含めたアイデアを募集したのです。そして、プラスエム設計のオープンシステムが採用されました。


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『いとよーきた』は、当初の狙い通り、限られた予算の中で多くのことを実現することができました。主なものを列記します。

予算を増額することなく、計画段階で想定していた延べ床面積(100㎡)より大きな建物(130㎡)にすることができました。完成後の維持費を極力抑えられるように、高断熱・省エネ仕様の建物にすることができました。ユニバーサルデザインを採用して、授乳スペース・オストメイト対応トイレを設け、子育て世代・障がい者に配慮する施設となりました。


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さらに、予算面やハード面に限らず、設計や工事の進め方自体が公共施設としては画期的でした。糸田町役場の主な部署には打合せ議事録や工事現場からの報告が日々MLで配信されました。また、外部の壁は塗装職人が一日講師となり、糸田町の小学生が参加して塗りました。子どもたちはこの体験を大人になっても忘れないでしょう。外観の色やトイレの使い方などにも多くの町民のアイデアや意見が反映されました。


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『いとよーきた』は、本当の建築主は町民、という考え方に貫かれて竣工しました。鳥取県で生まれた建築手法が、コンビニもない福岡県の小さな町で公共工事の発注方法を見直すきっかけとなるなら、これ以上の喜びはありません。

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「いとよーきた」を企画された
糸田町役場地域振興課 森下様にインタビュー


やはり、一番は価格を低く抑えられたということですね。元請け業者がたくさんいることによって機動力、そういったものが確保できて、我々の想いがうまく伝わったんじゃないかな、というのがありますね。

変化に柔軟に対応していくっていうのが、やっぱりいい建物をつくり、いいイベントをしたり、そういったものにつながっていくのかな。ということでいうならば、今回のこのシステムというのはそれに合致していたのかなと思いますね。

やっぱデザイン性で反映されにくい。ということでいうと、プロポーザルでこういうデザインでこういう費用でというの予め提案してもらった時に、価格だけではないデザイン性も含めて、予算内でできることが確認できました。



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プラスエム設計ロゴ

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